1. Happy Happy Greetings(’02 Rarities)
2. Sparkle(’82 For You)
3. Daydream(’80 Ride On Time)
4. Donut Song(’98 Cozy)
5. 僕らの夏の夢('09シングル)
6. Windy Lady(Sugar Babe ver.)
7. 砂の女(Sugar Babe)
8. Solid Slider(’77 Spacy)
9. 潮騒(’79 Go Ahead)
アカペラコーナー
10. Most Of All(’80 On The Street Corner 1)
11. I Only Have Eyes For You(’80 On The Street Corner 1)
12. Interlude~O Come All Ye Faithfull
13. クリスマス・イブ('83 Melodies)
14. 希望という名の光('10シングル)
15. さよなら夏の日('91 Artisan)
16. 今日はなんだか(Sugar Babe '75 Songs)
17. Let's Dance Baby('79 Go Ahead)
18. アトムの子('91 Artisan)
19. Loveland,Island('82 For You)
  <アンコール>
20. 街物語('10シングル)
21. Ride ON Time('80 Ride On Time)
22. Someday('80 Ride On Time)
23. Your Eyes('82 For You)



本当にCDが売れない時代になった、実感する。達郎氏も同じことを言っていた。
これまではニューアルバムをリリースしてそのプロモーションとしてライブを行っていたが(80年代は毎年りりースしてたので、毎年ライブも実施)、こうい う状況なので、これからはアルバムリリースに関係なしに毎年ライブをやるらしい、還暦まで。
という、まずは嬉しい情報を仕入れた。
 
いつものことだが、ライブの雰囲気は時間の経過ととともに変わりいく。
オープニングから演奏もすごいのだが、観客は立たずに手拍子もほとんどなし(これは、この人のライブでは通常のこと)。達郎のテンションと気迫がアップし てくると、手拍子などを要求してくる。声量もやはり凄い! 音楽の神様が乗り移ったみたい。ライブ音源を聞いた人ならわかると思うが、ライブの声はCDで 聞くのとは音圧(声圧?)がまるで違う。とくに、アカペラコーナーの英語詞の曲となると、そのすごさが10倍ぐらい増幅される。よほど、50〜60年代の 黒人音楽を起点としたドゥーワップに思い入れがあるのだろう。そして、達郎はテレビに出ないので、この人の人となりは知らない人は知らないが、とにかく熱 い人物で、演奏と歌が熱い! またしゃべり出したら止まらない。MCはとにかくしゃべりまくり。生粋の江戸っ子、落語が大好きなためか、口調が立川談志み たいに毒舌になってきちゃった、と自身も認識。

曲のイントロはCDでのオリジナルとは異なり、達郎のギターカッティングで始まるものが多かった。このギターカッティングが個人的に大好きで、こんな演奏 をする職人を偶像崇拝の“神”のように、ライブでは見入ってしまうのである。これだけでもライブに来た価値がある。佐橋氏のギターも凄いのであるが、とに かく達郎のひくエレキ・ギターに魅了される、もちろん歌もであるが。。。
 
1曲目はKinki Kidsに提供した“HAPPY HAPPY GREETING”。
「こんにちは神戸!おかげさまで、今年でデビュー35周年です。今夜は楽しんでいってください!」とまずは演奏途中に、いつものあいさつ。
2曲目はいつもオープニングとなる“Sparkle”。イントロは、いつもの華麗なるギターカッティングで始まり、これにベースの重低音とドラムが乗っか かる。
 
クリスマスイブは、ベース音が異常に強調された非常に厚い音で、CDのようなキラキラした印象ではなかった。しかしこの曲聞くと、JR東海のCMと相まっ てバブルの頃を思い出すのは私だけではないはず。あの頃はよかった。クリスマスも華やかで。。。
 
最近の達郎の曲は、年齢のせいか落ち着いたものが多くてバラードばかり。80年代の達郎を知っているものとしては若干物足りなさを感じていた。夏をモチー フにしたファンキーな曲が聞きたい。

後半ではファンキーなナンバーが続いた。
Let's Dance Baby〜アトムの子〜Loveland,Island、アンコール後のRide ON Timeと。
今年のシングル“希望という名の光”の演奏では、88年リリースアルバム「僕の中の少年」の中の1曲“蒼茫”の1フレーズがミックスされ、混乱と困惑で満 ちた現代社会につかの間の安らぎを与えてくれる、そんな空間であった。達郎の曲は、愛とか正義とかはあまりメジャーなテーマではない。しかしながら、情熱 的な愛というほどでもなく、アメリカンポップのメロディーに乗せたライトな恋という感じ。あまりヘビーなテーマは、この透明感とハイトーンの声質にはふさ わしくないのであろう。そして、CDでは華麗でポップな曲も、ライブでは楽器の生々しさと会場の音響効果のせいか、音圧が厚くなる印象でテンポも若干速く なりロックン・ロールして聞こえる(ここで言う“ロック”とは浜省やサザンやハウンドドッグが作りだす“ロック”とは別のカテゴリー。あくまでも、黒人音 楽に深く根づいた“ロック”)。他の人のライブでは、(もちろん違うが)演奏はカラオケとも聞こえるのであるが(笑)、この人のバックメンバーが奏でるサ ウンドは、アンサンブルが創り出す“魂”が“音”という人間の五感に響く媒体となって、会場の空間に満ち満ちと広がっていく。
 
ライブは、レコードユーザーを目の当たりにする環境、常に音楽フリークが群がる環境、ファンの情熱も冷たい視線もすべてを直接感じる音楽を作って歌う人に とっては最前線の現場である。
テレビに出ることによるプロモーションはしないにもかかわらず、ホールを満席にするというのは実力の証。音楽に対する感性は日本人とは思えないほど他を超 越しているし、音楽を作る技術・ハードウエアがこれだけ発達しても、他の日本人アーティストは誰も彼に追随できない。
20数年前に作られた曲が今でも、あたかも地底から脈打って湧きだす原油や鉱石のように新鮮で、時代の垢にまみれることなく輝きを放ち続けているのはやは り凄い。
“Sparkle”しかり、“Ride On Time”しかり。。。
特に選曲に不満はなかったが、贅沢をいえば他に聞きたかった曲は、アップテンポの曲では、“メリー・ゴー・ラウンド”、“踊ろよフィッシュ”、“スプリン クラー”などで、バラードでは、“あまく危険な香り”。しかし、この“職人”のライブは病みつきになる。次回も期待したい。

<EZ>