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前回のライブツアーから長い時間が経ってしまった一番の理由とは、長年の演奏メンバーとのスケジュールが合わず、ツアーの機会を失っていたこと。 従来、ベースの伊藤広規氏、キーボードは難波弘之氏と重実徹氏、ドラムは青山純氏という編成であったが、重実氏と青山氏は今回のメンバーからはずれ新メン バーが加入。とりわけ、ドラムはまだ24歳の小笠原氏で主にジャズを専門にしていたという。達郎の80年代の曲をタイムリーに知らない若さ。しかし、達郎 はこれからの日本の音楽シーンをしょって立つ一流のドラマー、と太鼓判。 次のバラード2曲では、達郎は珍しくギターから手を離しハンドマイクを手に。 ピアノのイントロでしっとり始まる“さよなら夏の日。面白いことに、ラストのPercussionの部分は達郎自らで曲をエンディングさせる、細やかな演出。 ステージの一番前に椅子が用意され、それにもたれてのMC。 「わたくしこの2月で56になりました、もうすぐ還暦です。美空ひばりさん、石原裕次郎さんはどちらも52歳で亡くなられております。現在の私はそれをゆ うに超え、いまだにステージに立っているというのが非常に不思議であります。小田さんも還暦に達しても現役でライブをされていますが、ああなってくると、 もう神様(笑)というか聖域に達しているという感じですね。」 「そう言えば、21世紀に入ってからの曲はまだ1曲もやっていませんね」、と“Forever Mine”。 MCは常に紳士的なしゃべりで、お客さんを大切に扱う心配りが伺える。「ご存分に、お楽しみいただけているでしょうか」、「この大不況の中、そして星の数 ほどある娯楽の中、わざわざ山下達郎のライブに来ていただき、誠にありがとうございます。今日は6年ぶりのライブ、たっぷり楽しんで帰ってください。」 丁寧極まりないおしゃべりで、これがプロとしての、自分のライブを見に来てくれる観客への想いなのであろう。 ということで、いつも楽しみのアカペラコーナー。 達郎の一人アカペラを聞いたことがある人にはわかるが、究極的なハーモニーの美しさ、これは芸術品に値する。 達郎のアカペラは、アメリカ50年代のドウー・ワップというスタイル。古いスタイルではあるが、この古き良き時代のハーモニーは朽ちることはなく、時代を超えても良いものは良いです、と。 バックはもちろん一人アカペラ多重録音のオケであるが、いきなり始まるオケの音域に合わせるために、「わたくし、絶対音感がないので」、と言ってハーモニカで音感を確かめる。 オリジナルの曲も素晴らしいが、何といってもこの人の音楽ではアカペラの曲を筆頭に、洋楽のカバーの出来がとにかく素晴らしい。 オリジナルは全て50年代、60年代で我々の世代はあまり馴染みがないものの、オリジナルのテイストに達郎オリジナルのテイストがプラスされ、オリジナル を超えた高いクオリティでアレンジし再現されていることだ。達郎のボーカルが非常にエモーショナルなのは、これらの音楽に対する思い入れ、そしてオマー ジュが含まれているからであろう。 よって、ライブのアカペラコーナーで聞ける曲たちは、このステージセットと見事に調和し、自分が幾十年前のアメリカの当地にいるような甘い錯覚に陥る。 今回の曲は、2008年シングルのC/W“バラ色の人生〜ラヴィアンローズ”と、アルバム「On The Street Corner2」収録でこれまでで最も出来がいい思うと言う、“Chapel of Dream”をセレクト。 これぞ、現実を忘れた恍惚の時間! その3へ続く   |
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