3.クリスマス・イブ

この曲が世に出た頃はシングルではなく83年6月発売のアルバム「Melodies」のラストにひっそりと収められている単なるアルバムの1曲だった。
88年にJRクリスマス・エキスプレスのCMに起用され、バブル隆盛と相まって爆発的にヒットし、20年経った現在でも、日本のスタンダード・クリスマスソングとして君臨し続ける、類まれ無きマスターピース。

バブル期の“クリスマスは恋人と過ごす”というトレンドに一層拍車をかけた、言わば“過去の遺物”の象 徴的存在であることは否めないが、クリスチャンでもない日本人が憧れる“クリスマス”のイメージを音にするとこうなる、というの を再現した究極的なメロディーと歌詞。

エレキギターのダビングによるアルペジオ風のイントロ、聖夜に降る雪の結晶の透明感をエレクトリック・ピアノの音で、そしてゴージャスな一人多重録音のコーラス、さらにはパッヘルベルのカノンを一人アカペラにアレンジした間奏。
さすが職人! メロディーと歌詞だけでなく、凝りに凝った編曲で、これを超え得るクリスマス・ソングは今後創り出されることはないだろう。
特に、コーラスには伝家の宝刀“一人アカペラ”で駆使された技術がいかんなく発揮され、クリスマスを厳かで荘厳な雰囲気で包みこむ。

♪雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろう。。。

この非常にシンプルなフレーズに始まって、なぜこれほどまでにきらびやかに見事に美しく、クリスマスの夜を表現できるのだろうか。
もろびとこぞりて、サンタが街にやってくる。
なぜ、人々はクリスマスが近づくと、胸をときめくのか。
 
その4へ続く

<EZ>