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| 1.イントロダクション “夏だ!海だ!タツローだ!” 80年代の山下達郎の音楽に対する、当時のキャッチ・コピーである。 「クリスマス・イブ」以外はあまり知らない若い世代は、これを聞いて不思議に思うかもしれない。しかし、80年代の達郎の音楽は(正確には初頭から半ばであるが)、“限りなく夏一色”、と言っても過言ではない。 JAL、ANA、コカコーラ、ビール、そして車。これらのCMから流れるウエストコースト風のカッコいい洗練された音楽と、ファルセットを駆使した高音のボーカルの透明感と音の広がりと厚み。“夏の開放感”を演出するのは、これほど最適な音楽はないだろう。当時中学生でありながら、自分もCMから流れるこの洗練されたオトナの音楽に魅了された一人であった。とりわけ、地平線まで続くかのようなハイウェイの右車線を爽快に走り抜けるSUVやクーペのバックに流れる達郎の音楽とクルージングとのマッチングは究極的で、ドライバーシートの独特の空間のあの快適さとの融合は、描写するに容易でない。 80年代初頭。それは、“リゾート・ミュージック”という言葉が流行りだした時代。 79年にウオークマンが市場に投入され、カーステレオも普及し、音楽を外に持ち出して聞くのが粋でトレンディー。当然、冬はユーミン、夏はタツローをカセットに詰め込んで、“スキーや海に私を連れてって!”てな感じ。 そういう風潮とも相まって、達郎の音楽は当時の若い世代の”心の夏“に浸透していった。 続く |
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