
| (4)浜省とアメリカ 浜省のCDジャケットや作品には、自由と希望の象徴である“アメリカ”を題材にしたものが非常に多い。 日本の50代のロック・ミュージシアンは、アメリカのロックに強い影響を受けている。彼らの音楽ルーツがここにある。 なぜなら、彼らの少年時代には、日本にはロックは存在しなかったからだ。 アメリカへの憧れが最も強い世代なのか。ボブ・ディラン、ビーチ・ボーイズ etc。 昨今、“イラク再建”を名目に不必要な中東への介入、サブ・プライム問題、円高ドル安などアメリカをめぐる話題は、何ひとつ明る いものはない。ここまでアメリカが低落することなど、20年前に誰が予想しただろうか。正義と自由を言い訳に、世界をまだまだ支配しようと目論んでいる “アメリカ”。彼らの時代は、21世紀に入って終焉していることを彼ら自身が気づいていないのか。 とは言え、80年代には、技術力・経済力ともに世界トップの座をしっかり掌握していたアメリカがあった。 従って、10代に聞いたアメリカンロックの思い出と“憧れや希望”が融合し、それを歌に反映したくなる気持ちも理解できる。 今後、彼がアメリカを含めた世界をどういう視点で見つめ、どう作品に反映していくのか、気になるところである。 (5)浜省と労働者 曲(例えば、アルバム「J.Boy」の中の「勝利への道」など)に出てくる父親像からして、浜省は決して裕福な家庭で育ったようには思えない。 そして、歌詞に登場する労働者もそれが反映してか、苦労している人間像しか浮かんでこない。 16のときから親父は工場で働き通しの貧しい労働者、24時間の間に時差を越えた世界的ビジネスの現場で戦うホワイトカラー系の労働者、自動車組み立ての工場労働者。 今風のネット産業などで一躍ブルジョアとなったセレブな実業家など、歌に出てくることはない。 だからこそ、歌の主人公に親しみを感じるから不思議である。今風に言うなら、大多数の“負け組”と一握りの“勝ち組”の人間。 浜省は、圧倒的に前者の味方である。 その4に続く |
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