「トミーとマツ」はアメリカの人気アクション刑事ドラマ「刑事スタスキー&ハッチ」がモデルであると言われている。
 刑事ものはなぜかコンビで活躍することが多いが、「トミーとマツ」も例外ではない。
刑事ドラマには名(迷?)コンビは不可欠な要素であり、これまでも多数存在している。しかし、解釈を拡大するとドラマには必ずコンビが存在する。さらに拡大解釈すると、音楽の1曲も“ドラマ”として見なせる。
こうして考えると、下記の例が挙げられる。

名コンビの例

(1)好敵手
“白い巨搭”の財前五郎と里見修二
“ガンダム”のアムロ・レイとシャア・アズナブル
“TUBE”の前田亘輝と春畑道哉

(2)良き協力者
“山村美沙サスペンス”の名探偵キャサリンと大学助教授浜口一郎
“あぶない刑事”の二人(役名不明)
“江戸川乱歩”の明智小五郎と波越警部
“横溝正史”の金田一耕助と日和警部
“安全地帯”の作曲者玉置浩二と作詞者松井五郎
“杉山&オメガ”の作曲者林哲司と作詞者秋元康

(3)上司と部下
“西村京太郎トラベルミステリー”の十津川警部と亀井刑事
ドラマ“相棒”の杉下警部と亀山刑事
 

 大抵の場合、このコンビが力を発揮して“1+1”が“2”以上になるのであるが、「トミーとマツ」の 場合は“1+1”は“1”にとどまってしまう(二人合わせて一人前)。しかし、「トミコ〜!」の一言 で、これが“10”あるいはそれ以上に増幅されるから驚きである。
 
 先に述べた松崎しげるが歌う主題歌はドラマのENDINGで流れる。それは、雨が降る東京の夜。主題歌が流れているため、彼らのセリフは聞こえないが、あえてセリフを入れてみると、こうなるのだろうか?!
 


東京のある夜。
マツが電話ボックスで雨宿りをしている。当分、雨はやみそうにない。

マツ 「こんなところで立ち往生なんて全くついてねえぜ。あれ、あそこあるいてんのトミーじゃねえか。しめしめ。全く“飛んで火に入る夏の虫”とはこのことだ。」

何も知らないトミーは雨の中、傘をさしながら家路を急いでいる。
 
マツ 「おーい、トミーじゃねえか。こんなところでなにしてんだ。」
トミー 「あっ、せんぱーい。家に帰るんですよ。サッチが晩御飯作って待っててくれてるんで。先輩こそ、こんなところで雨宿りですか。」
マツ 「お前、いいとこで出会ったな。ちょっと傘、貸してくれよ。」
トミー 「いやですよ。これからうちに帰るんですから。」
マツ 「お前、先輩が風邪ひいてもいいっていうのか!傘、借りてくからな!」

と言いながら、マツは強引に傘をトミーからひったくり、トミーの進行方向と逆に歩いていく。トミーは雨の中マツを追いかける。
 
トミー 「ひどいですよ〜。こんなのないじゃないですか、僕の傘ですよ〜、返してくださいよ〜。」

と子供のようにジタバタとごねる。
トミーの言うことなど全く無視して突き進むマツ。トミーは上着を脱ぎ、傘代わりにするが既にびしょぬれ状態。
 
トミー 「僕も傘に入れてくださいよ〜。」
マツ 「お前は風邪引いてもいいの。俺は先輩、君は後輩、どっちが偉いんだ?あっち行けよ!」

傘に強引に入ろうとするトミーを退け、傘を独占して歩き続けるマツ。何分ぐらいたっただろうか・・・。が、トミーはあきらめることなく執拗にマツの後を追う。トミーの姿に心打たれてか・・・
 
マツ 「トミー、風邪ひくだろ、ほら傘に入れよ。上着もちゃんと着てさ。全くお前はいい根性してるぜ。」
トミー 「さっすが先輩。」

二人は年甲斐もなく、相合傘で歩いていく。
この二人、一晩中歩いたのだろうか。空はいつのまにか明るくなって、夜が明けた。東の空は美しい朝焼けでオレンジ色ににじんでいる。
 
マツ 「おっ雨やっとやんだな。これお前の傘だったな。返すよ。」

と必要のなくなったトミーの傘をぶっきらぼうに放り投げ、あわててそれを受けとるトミー。
 
マツ 「すがすがしい朝だな。今日も一日がんばるかー。なあトミー。」
トミー 「はーい、先輩!」

と、いい年したおとなの2人が少年のように横に並んで揃ってジャーンプ!
ジャンプした瞬間でENDINGである。

 




“トミー”こと国広氏は松崎氏のことを和製ジェームズ・ブラウンと呼ぶ。
ジェームズ・ブラウンは先日亡くなったが、確かに風貌といい、歌い方といい、なんとなくイメージは重なる。
 
さて、このドラマに匹敵するような名コンビは、今後実在あるいはフィクションの世界で、作り出されるのであろうか。
こんな笑いを提供してくれる、ほのぼのとしたコンビが今後現われることを期待したい。
 
以上

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