そう言えば、今回のライブ、参加者の紹介をしていなかった。
 特に変わったメンツではなく、ハーフタイムのギター小僧と二人で参加。彼とはなぜか音楽の趣味が合い、誰のコンサートでも来てくれる。今回も二つ返事であった。
 今後行きたいと思っているミュージシアンは(チケットが取れればであるが)小田和正、山下達郎であり、賛同願いたい。

 さて、座席は1Fの8列目ではあったが、正面から向かって左手の端だったので、スピーカーが積まれていた背後のステージの様子は見えなかった。しかし、女王様はステージ狭しと左へ右へと動いてくれたので、歌っている表情ははっきり確認できた。
 また、世間でいう40歳とは違ってとってもスリム、で背が高そう。

ところ変わって、弾き語りコーナー。
 前回のツアーでは、「黄昏」で8オクターブ(?)の音域を披露していた。
 今回はニューアルバムからバラードを2曲。
 が、この場面でのこのひとは、それまでのノリノリの広瀬香美とは全くの別人であった。他人を寄せつけないような集中力を発揮し、聞くものを半ば金縛りに するような雰囲気。おっそろしー、完全に自分の世界に入ってるわー。ダイナミックかつ繊細なピアノの伴奏と、8オクターブの声との融合、それらの相乗効 果。
 会場のオーデイエンスの視線は彼女1点に集まっている。ピアノの前に座って歌っている姿は、正に孤高のシンガー。が、そのプレッシャーを跳ねのけんばか りの堂々たるパフォーマンス。さっすがプロフェッショナルは違う!これまでのレコーディングやリハーサルに費やした時間を10倍、20倍に凝縮したような 演奏を食い入るように見つめる自分を含めたオーデイエンスが、この冬のひととき、固唾をのんでいた。

次は、彼女のクリスマスの定番、Dear Again...
 少し抑え気味のイントロの歌い出しから、徐々にテンションが上がっていく。
サビではステージの中央にひざまづいて、訴えるよう歌っていた彼女の姿は非常に印象的であった。

しんみりした雰囲気も終わり、MCでは「私って、歌手でありながら趣味はカラオケなのよねー」。昨日も行ってきたという。
 と言っていると、パネルがステージに現われ、”香美のカラオケコーナー”が始まった。以下6曲からの選択。広瀬がボタンを押して、ストップした曲を歌うという。

・Say Yes
・負けないで
・Boy Meets Girl
・世界中の誰よりきっと
・硝子の少年
・ロマンスの神様

 これらの曲を指して、「その当時の”広瀬香美”のライバル曲群ばかりです!みんな、カラオケで歌って、浮気してたでしょ!」ときつーいお叱り。
「”ロマンスの神様”をカラオケで歌っても、70点しか取れないのよね〜。」って、本人が取れない点数で誰が90点とかを取るのか???

 結局、ロックアレンジの「Say Yes」と「ロマンスの神様」を聞かせてくれたが、こういう遊び心も広瀬香美のライブならではか?

 それにしても、CDで聞くのと比べると120%いや200%の声量の迫力。これは文面では表現のしようがない。ブレスはいつするの?どこまで息づきなしで声が続くの?、とこちらが心配するぐらいのパフォーマンス。
 そして、何度も書くが、ノリノリの曲とバラードでは、まったくキャラが変わる。香美、へんしーんしまーっす!!という感じ。

 この後も、「二人のBirthday」、「夏だモン(やっぱ冬だモン)」と続き、
「真冬の帰り道」では、ほとんどTUBEの「Hot Night」のような状態で超盛り上がり、みんなでジャーンプ!
 このあとは、ライブの定番とも言える、「ゲレンデがとけるほど恋したい」。「絶好調、最高調」というのがキーワードであるが、絶好調なあの頃の広瀬香美がフラッシュバック。
「海の家」、「涙を虹に」、「Lonely Revolution」と続くTUBEのライブ並みのラストのノリノリの盛り上がり。

”とつーぜんのー”の香美流こぶしを期待していたのに、ニュー・アルバムラストの素敵なバラード”sometimes”は披露されなかったのが非常に残念ではある。

 ライブも終盤に近づき、次はいつ香美さんに会えるのかな?とか考えて時間が過ぎるのを惜しみながら、デビュー曲の”愛があれば大丈夫 ”をみんなで熱唱。天井から紙吹雪が降り出し、観客みんなが大きく手を左右に振りながら、感動のフィナーレ。約2時間のライブは終了した。

・まとめ
 このライブに参加して実感したこと、それは彼女は過去の人ではない、ということである。選曲は彼女のシングル・ヒット曲が多かったが、今の等身大の彼女を描いたようなニューアルバムも本当に傑作だと思う。
 今年の冬は昨年ほどの冷え込みがなく、さほど季節感を感じることはできなかった。しかし、冬という季節は寒いがゆえに、ひとの愛情を求め、さらにそれを最も深く感じることができる季節ではないだろうか。
 寒さが厳しければそれだけ、ひとは温かい時間・温かいひととの交流を貴重にまたありがたく感じる。それに匹敵するように、温かいというよりむしろ、”ホット”な冬を毎年届けてくれていた親愛なる女王様。
 人生塞翁が馬、とは少しニュアンスが異なるが、日本の季節は誰が強制するまでもなく、自然に移り変わり、まためぐり来る。冬はいつかは雪が溶けて春にな るから、ひとはこの期間を耐えることができる、とも言えよう。しかし、我々には女王様がいるから、じっと冬が通り過ぎるのを静かに待つのではなく、積極的 に外にくりだし、爽快に冬を満喫しよう、エンジョイしよう。

真冬の透明度の高い”クリスタルな時間”、そして”女王様”よ、永遠なれ。


ライブ演奏曲目
(於:神戸国際会館こくさいホール '07.2.25)

1.ロマンスの神様
2.幸せをつかみたい
3.Promise
MC
4.甘いお話(ニューアルバム)
5.サプライズ未来(ニューアルバム)
<打ち合わせ>
6.サッカーボールみたいに転がって(ニューアルバム)
<弾き語り>
7.No More Sad(ニューアルバム)
8.Gift(ニューアルバム)

9.Dear Again... 
<カラオケコーナー>
10.Say Yes
11.ロマンスの神様
MC
12.二人のBirthday
13.夏だモン(やっぱ冬だモン)
14.真冬の帰り道
MC
15.ゲレンデがとけるほど恋したい
16.愛があれば大丈夫

以上




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