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| Part3 〜オメガトライブ〜 80年代というと、安全地帯と同じく、絶大なる人気を博していたのがオメガトライブ。80年代の "杉山清貴&オメガトライブ"は、世の若い女性を虜にした透明度抜群の澄んだ綺麗なボーカルをフィーチャーした音楽。発展的解散により、83年か ら85年秋までのたった2年半の活動。そう、TUBEが産声をあげた年に解散したとは何たる運命の巡りあわせだろうか。しかし、邦楽の歴史に華麗な足跡を 残した彼らである。 シングルは、”Summer Suspicion”、”アスファルト・レデイ”、”君のハートはマリンブルー”、 ”サイレンスがいっぱい”、”Riverside Hotel”、”ふたりの夏物語”、”ガラスのPalm Tree”(順不同、思いつくまま)まで、ほとんどがヒットした。全て、林哲司作曲。林氏と言えば、この頃のヒットメーカー。 夏の切り口は、サザン、TUBEとは異にする。流行に左右されない、お洒落でアーバンな香りのするオトナの音楽、AORに属する。”シ ティ・ポップス”という表現が使われた頃があったが、これこそがAORである(同時期の安全地帯、稲垣潤一etcが当てはまるかと。)。 AORに属する曲は、不思議なことに、何度も聞いても飽きが来ないのである。洒落たリゾートとアーバンな雰囲気を持ち合わせている。 TUBE、サザンが「湘南ビーチでBBQ、さんさんと輝く太陽にビールで乾杯!」であるなら、オメガトライブは「湘南葉山のリゾートホテルの海を一望できるテラスで、サンセットをバックにシャンパンで乾杯」である。 デビューシングル”Summer Suspicion”に代表されるように、悲しいかな、Happy Endの曲はほとんどなく、別れた女性を回想する哀愁の男を描いていることが多い。TUBEの音楽が描くような ”ただいま、僕たち恋愛発展 途上中!”、というシチュエーションはほとんどない。これは、稲垣潤一の”夏のクラクション”及び”思 い出のビーチクラブ”の歌詞の世界と同様。曲のまずさは歌詞でカバーできなくもないが、歌詞のまずさは曲ではカバーできない。従って、彼らの 音楽の美しさは、歌詞のうまさを抜きにしては確立できない。 針を落としてまぶたを閉じれば、そこにはせつない”夏”が映し出される。1曲1曲が短編のラブストーリーのように。作詞は、康 珍化 or 秋元康でほぼ占められる。アップテンポであろうがスローバラードであろうが、車を運転するあのメローな空間を満たすのには最適な音楽と思っている。しか し、前述するように助手席には女性は要らない。浜省の曲に”サイドシートの影”というのがあるが、あくまで過去のサイドシートの 幻を追いながら、独りフリーウェイを飛ばすノスタルジックなひとときである。 人目を引く美しいジャケットも魅力の一つ。その当時はレコード時代でジャケットが大きく、買い手を魅了するためにジャケットの役目は一際大きかった。 1stアルバム"Aqua City"は、ビーチリゾートの夜景。
2ndアルバム”River's Island”は、夕陽に映える六本木ヒルズのようなビル群。 3rdアルバム"Never Ending Summer"は、波打ち際に打ち寄せられたガラスのボトル。 4thアルバム"Another Summer"は、エーゲ海(?)のヨットハーバーの夕闇。 5th(ラスト)アルバム"First Finale"は、たそがれ色に染まるリゾートホテルのプールサイド。 ![]() ![]() 特に3rdアルバムの”Never Ending Summer”というタイトルだけで、”夏もの好き”は条件反射的に誘惑されてしまう。この中に、4曲編成で、アル バムタイトル曲でもある組曲”Never Ending Summer〜”が収められている。メドレーではない、4曲が映画のように1つのストーリーになっていて、とにかく美しい。これぞ、終わらな い夏。カレンダーが単に8月で夏を区切っているだけで、二人で過ごした夏は終わっていない、少なくとも僕の心の中では。。約18分の傑作で、思わず聞き 入ってしまう。夏が来るたびに君を思い出す。。。全ての想いは、"Never Ending Summer " の歌詞の一節に込められている。僕のカレンダー8月のままさ、2人の渚は今でも夏・・・。 サウンドとしては、 ・アコースティック・ピアノの音はほとんど聞こえてこない。エレクトリック・ピアノとあの当時の最先端の音、シンセサイザーを多用。 ・TUBEと同じく、ギターソロがとにかくかっこいい。 ・杉山清貴のボーカルもさることながら、コーラスワークが作り出すハーモニーも美しい。"Summer Suspicion"の間奏部分のしぶいギターソロと美しいコーラスをどう表現すればよいのか。 最近、この手の洗練されたAOR的サマーソングにお目にかかるチャンスがほとんどないのが残念である。彼らの音楽は、今聞いても全く古さを感じさせない。 哀愁の夏を好む・好まないに関わらず、とにかくサマーソングが好きな人には、彼らのかっこいい音楽をぜひ聞いてもらいたい。 最後に、オメガトライブのベスト・セレクション・アルバムの曲選曲をするならこういう構成にしたい、というのを書いて終わりにしたい。 (80年代らしく、レコードのA面・B面という構成で。) A面(Day side) 1.Summer Suspicion 2.Route 134 3.Paddling To You 4.ふたりの夏物語 5.Twilight Bay City 6.Never Ending Summer 7.Rolling Memories B面(Night Side) 1.Misty Night Crusing 2.Eastern Railroad 3.ガラスのPalm Tree 4.最後のNight Flight 5.Midnight Downtown 6.Farewell Call 7.Alone Again 以上 この音楽の素晴らしさは、文面ではうまく表現できません。懐かしいと思った人は、今すぐネットでベストか過去のオリジナルアルバムをゲットしてください。 <EZ>
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