2002年も押し迫った12月のある日、EZから冬休みの宿題が出された。
各位

EZです。
今年も残すところわずかとなりました。
さて、この寒い時期にふさわしい貴方のお気に入りの冬の曲を紹介してもらえませんか。

10〜15曲を選曲し(曲順も考慮のこと)、曲目タイトル・発売年・アーティスト名・曲目解説・想い出やエピソードを添えて、N@O氏まで送信してください。もちろん、演歌もOKです。HPのTUBEチームのコーナーにのせてもらいましょう。締め切りは、1月末ごろとしましょう。

以上

 冬の女王は?と言えば、80年代はユーミン、90年代は広瀬香美であったことは、誰もが認める事実であろう。前者は映画「私をスキーに連れてって」のBGMで使用されることで、たちまち冬のリゾートでは聞かないことはなく、後者は某スキー用品店のCMとして毎年毎年流れされて冬のイメージをあれよあれよという間に築き上げてしまった。まったく、メディアの力はすごいものだ。
 そういえば、「華麗なる冬」に目覚めるきっかけとなった山形蔵王スキーツアーから1年がたつ。冬といえば、粉雪、ブリザード、白樺並木、トナカイ、一面の銀世界、蔵王の樹氷、地吹雪(見たことない)など"白の世界"が当然のことながら強調されてしまうのであるが、そんな幻想的かつ神秘的な世界を演出してくれる音楽を選ぶというのが、今回の企画である。
 曲は、冬だからといって、バラードに偏ることなく選曲。
 アップテンポが2,7,12で、ミディアムが4、6、8、11で、バラードが1,3,5,9,10、13。こうして考えてみると、やっぱり私は、ロックでもないポップスでもない。AOR(Adult Oriented Rock)が好きなんだな。

=== EZセレクション ===

1
白い恋人達/桑田佳祐(2001)

 ここ数年で最も聞きこんだ、大のお気に入りの1曲。前回、"桑田ソロへのいざない"で熱く語ったので、原稿に少々修正を加えてここで繰り返す。
 "冬の女王" 広瀬香美を脅かすかのような、一面の雪を思わせる"白"がテーマ。
「夜に向かって雪が降り積もると・・・」で始まるこのイントロの部分、メロディと歌詞がいっしょにどっと出てきた、と桑田氏は語る。イントロは、オルガンとピアノで始まり、引き続いてピアノ伴奏を主体としてAメロへ突入。途中でベースが合流し、音の厚みが徐々に増していくのが手に取るようにわかる。この過程を順々に追っていくのも、この曲の楽しみ方の一つである。かなり凝ったアレンジと言えるだろう。オーケストラをバックにゴージャスな演奏風景が頭に浮かぶ。また、曲の起承転結もくっきりしている。
 ひとつ注目すべき点が、CDジャケットを見てもわかるが、TVで桑田氏本人がピアノの前に座って弾き語りをしていたこと。エルトン・ジョンをイメージしてのことなのか。しかし、ピアノからベース、ドラムまでこなすことを、レコーディング風景を撮ったDVDを見て、納得。やはり、桑田はすごかったのだ。ピアノをあえて前面に押し出した、この曲でのピアノへの執着が理解できよう。
 とにかく、ひときわピアノの役割が大きい!
 間奏は、ギターソロのあと、桑田氏の肉声によるぶ厚い低音と高音のコーラス大合唱である。山下氏「クリスマス・イブ」の間奏のアカペラのようなゴスベル風コーラスで、このときリスナーは至福のひとときを迎える。最後はお得意のファルセットで盛り上がりを見せる。
 ピアノ弾き語りスタイルで、DVDのPVでは、白樺並木の中、粉雪が一面に降る白銀の世界で桑田氏が熱唱していた。次回は、これをTUBEチームで撮りたい!?

2

promise/広瀬香美(1997)

 スパニッシュ風アレンジで、TUBEで言えば「ガラスのメモリーズ」に該当するこの曲は、それまでのイケイケGoGoムードのシングル群、「ロマンスの神様」、「幸せをつかみたい」、「ゲレンデがとけるほど恋したい」などとは一線を画する、マイナー調のナンバー。
 吹雪の中、一人途方もなく、ただただ恋人を追いかける、モノクロの映画の1シーンのような情景。シングルに初めて、"哀愁"を描写したところに、広瀬香美の音楽がまた一歩、何かを飛び越えたようなそんな曲。
 それだけに、一人、哀愁にふけりたい時にぜひ聞きたい。もちろん、吹雪の中で・・・。

3

カムフラージュ/竹内まりや(1998)

 荘厳な山下達郎のアカペラから始まり、A.Pianoへとつながる、まりやさんお得意のミディアムテンポのバラード。達郎のコーラスを聴くのも、まりやさんの音楽を聴く、楽しみのひとつでもある。
 艶のある歌声に、何度聞いても癒されてしまう。私にとっては、冬に限らず、年がら年中の最高の癒し音楽である。低音で、適度に重みがあって、年齢を重ねても20代の頃と比べてまったく衰えを知らない。曲は、A.Guitarの渋い響きがベースになっており、山下アレンジの真骨頂。

4

クリスマス・イブ/山下達郎(1983)

 ご存知、クリスマスの定番。
 イントロのアルペジオ風E.guitarのダビングから突然、真っ白な冬の街路樹と粉雪の世界へと誘われる。
 歌詞に無駄がなく、いたってシンプル。「雨は夜更け過ぎに、雪へと変わるだろう。」というところから、「まだ消え残る君への想い、夜へと降り続く・・・」。雪と時間の経過、雪に託された待ち人来たらず、のせつない歌詞とメロディの相乗効果により、曲が洗練されていく。
 一方で、バロック風アレンジの間奏のアカペラには、圧倒される。なんと、42回声を重ねて録音したというから、職人技である。達郎が42人いて、大合唱していると思えば、涙が出てくる。歌のラストからフェードアウトまでの一人多重コーラスも凝ったものとなっており、立体的で360度サラウンドな雰囲気をかもしだすコーラスアレンジになっている。

5

あの頃へ/安全地帯(1992)

 雪深い、北海道旭川出身の玉置浩二ならではの"望郷"をテーマにした、しっとりしたバラード。「熱視線」、「ワインレッドの心」のような都会的で妖艶な"安全地帯"とは裏腹に、素朴なアレンジ。
 都会に出てきた人たちは、遠い故郷、特に雪の降る故郷への想いは深い。これは都会に生まれ育った人間にはとうてい理解できない、熱い想いなのであろう。雪は、情緒を誘い、また日本人の心を打つ。
 「帰えろかな、帰りたい、ふるさと夢ん中・・・」って歌詞、細川たかしの曲だったかな。演歌もいいね。

6

12月の雨/荒井由実(1974)

 "荒井由実"時代のユーミンの一作である。フォークでも歌謡でもない、"ニューミュージック"という新しいカテゴリーの音楽を世間一般に知らしめた彼女であるが、A.Guitarがシャキシャキして、70年代を象徴した雰囲気になっている。"アンプラクドブーム"というのが、一時あったがアコースティックはナチュラルであり、デジタルな時代に生きる我々にとっては、癒しとなっている。
 松任谷由実時代のものも良いが、この独身時代も傑作が多い。

7

もう一度・・・and then/角松敏生(1988)

 角松は、一時期、凝りに凝って聞き込んだ。あの頃が懐かしい。
 リゾート路線から、ラップ、R&B、ハウス、ディスコサウンド、沖縄、ギターインスト。その時代の流行りの音楽、すべての分野に手を出している彼ではあるが、出来は中途半端ではない。
 1曲が10分に迫る大作であり、シングル「Airport Lady」の流れを汲む、夜の高速道路で聞きたい、都会的エッセンスを集結したポップスとインストが融合したものか。1988年ごろの角松音楽がにじみでている。

8

最後のHoly Night/杉山清貴(1986)

 「ガラスのPalm Tree(1985)」は、杉山清貴&オメガトライブの最後のシングルだった。長いことやっているバンドでは、どうしても傑作もあれば駄作もある。しかし、たった3年間の活動で、しかも人気絶頂のときに解散してしまったので、惜しまれながらの最高の余韻を永遠に後世に残したと言える。
 解散した次の年の杉山ソロの冬のシングル。夏は恋人同士だった二人は、クリスマスイブの頃には別々の二人・・・。「Surfin' In The Snow」と同じく"夏"と"冬"のふたつの季節を歌詞に盛り込んだものであるが、なんとなく寂しい歌詞である。が、イントロの部分が好きだ。
 この後の数年間の活動で(サザンが活動休止している間に)、"夏男"のイメージを強く世間に印象づけることとなる。全盛期であった。

9

Close Your Eyes, Hold Your Dreams/TUBE(1994)

 大のお気に入りの、バラード版TUBEest から1曲。
 二人の出会いは、やはり夏・・・。"きらめく波間に 何もかも揺れた"、"冬の星見てる 海辺の通りに潮騒響く"、"これからの夏も みんな分けあいたい"・・・。
 夏から冬、冬から夏と、季節の移り変わりを思わせる歌詞で、Surfin' In The Snowと同じ流れ。人生最大の失恋を経験した94年秋・冬から、挽回の95年春までの、絶望の淵からはいあがった3ヶ月のひと冬を思い出すなあ。

10

Blue Moon Blue/今井美樹(1992)

 「Piece of My Wish」、「Pride」など強力な冬のうたがあるが、あえてこの曲を選択。
 一寸の曇りもない、純粋な冬の世界。アレンジは、映画音楽でおなじみの久石譲。久石譲の独特の世界と今井の透明感あふれるヴォーカルとがうまく融けあい、このアレンジあってのこの曲。

11

クリスマスキャロルの頃には/稲垣潤一(1992)

 哀愁、日本のAORと言えば、このひとだろう。クリスタルなハイトーンボイスで、おしゃれなポップスを歌う。
 これは、イントロからして"哀愁"のひとことに尽きる。
 92年の秋、初めてフェスティバルホールでのコンサートに行った。この”クリキャロ”があんなにも売れると思っていなかったので、自分にとってもプレミアなライブであった。その帰り道で告白して玉砕を経験。2年後も、某KKのコンサートの後に、告白→玉砕を経験。コンサートはやはり純粋に楽しむものであるべきと、悟った。

12

DESTINY/松任谷由実(1979)

 70、80年代のユーミンは、やっぱり素晴らしい。ラジオで聞ける比較的低い普段の声と歌唱するときの高い声とのギャップが、この人ほど大きいのも珍しい。歌うときは、年齢を重ねても、"荒井由実"時代の10代のようである。シンガーによって個性が様々であるが、これぞユーミンの定番というメロディーがあり、まったく聞き手を飽きさせないのが不思議。
 90年代初頭の頃は、スキーで聞くなら絶対にユーミン、と決めていた。スキーバスからの流れる車窓の景色を楽しみながらの夜行バスでのひとときを思い出す。みんなが寝静まりかえった車内は、私だけの走る音楽スペース。これがスキーへ来た楽しみの1つでもあったのだ。あの頃は、広瀬香美を聞いていなかった。今思えば、残念。朝になるとゲレンデに立ち、青空の下で爽快にゲレンデを駆け抜ける(or 豪快にこける!)
 この曲は、"失恋"がテーマ。
 80年代終わりから90年代初期だったか、片岡鶴太郎主演の「季節はずれの海岸物語」という、年末か正月に年1回の2時間ドラマがあり、それの主題歌であった。片岡が湘南海岸に面したコーヒー屋のマスター役で、毎回マドンナに会い、結局失恋するというストーリー。現代版、寅さんである。ドラマチックなテーマソングとドラマ内の片岡の失恋の名残が鋭くマッチしており、ドラマの後も数分間は、余韻を味わうことが出来た。
 最近、夏の野外ライブのDVDが発売されたので、早速買って見た。夏の風物詩と言われる、逗子マリーナでの、海のすぐそばの野外ステージで、時間の経過とともにそれにあったナンバーが演奏される。ミディアム・バラードからラテンまで繰り広げられ、どこかのバンドみたいだ。冬のイメージが強かったが、結構、夏の曲が多いことに驚く。
 誰でも、必ずコンサートの盛り上がりどころの定番というのがあるのだ、と認識。初めて見たDVDでのライブなので、新鮮味があって、良い。冬は苗場でコンサートが行われるということで、文字通り"Surf & Snow"を実演しているのだなあ。すごい。

13

ニューヨーク・シティ・セレナーデ/クリストファー・クロス(1981)

 1970年生まれの私としては、80年代は10代で多感な時期であった。AORの大御所のようなひとであるが、クリスタルな声に魅了されたことを思い出す。
 あまりに好きで、結婚式のキャンドルサービスに使用した。


 その他、Misia「Everything」や浜省「ひとりぼっちのクリスマスイブ」、スターダストレビュー「トワイライトアヴェニュー」、郷ひろみ「言えないよ」その他、思い出深い曲が山のようにありますが、これらはまたネタがたまってからの次回での紹介ということにします。乞うご期待。

<EZ>