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1985年6月1日から30年。 もちろん、この4人ほど今でもあの日の記憶を鮮明に保持している人はいないだろう。 個人的に元々夏好きの少年であったが、その季節をさらに熱く思い出深く情熱的な時間に仕上げてくれる音楽を世間に提供してくれる4人になるとは。 久々に、90年に発表されたアルバム「N・A・T・S・U」を聞いてみたが、若干デビュー5年目のバンドにして、なんだこの完成度は! 完璧な曲、アレンジ、歌唱、楽器パフォーマンスは文句の付けどころなく、究極のバンドサウンドである。改めてTUBEの当時の実力に感心。 TUBEは一人ではなく仲良しのみんなで聞くからいい。一人で聞いてもこの年になっては、むなしいだけ。写真で見る世界の憧れのリゾートに行ってみたい、そんな南国へのいざないに駆られた過去はすでに20数年前。だが年をとっても、この音楽をもう一度聞くことによって(一瞬ではあるが)あの当時の想いを呼び覚ましてくれる。音でデジャブを体験できるなんて、貴重で秘かな幸せな時間。 でもやはり、過ぎてしまった時間に対する羨望のような感、そして何よりも仲間と作った空間を再生することの難しさを改めて感じるという点などで、虚しさが残ってしまうのはやむを得ない現実。 しかし、最近の体たらくには正直言葉を失っていた。それは、音楽にもビジュアル的側面でも。 あの高音のVocalはどこに行ってしまったのか? ボイストレーニングはやってるの? いい加減タバコやめたら? メディアに露出するのであるからもう少し外見を気にしたら? 数々のクレームがファン(特に女性)から集まってきそうである。従って、あの時のCDで聞いた声を今は聞けないため、ライブに行く動機がなくなりつつあるのが本音である。キーを下げて歌われても、そんなパフォーマンスでは高いチケット代は詐欺にあったようなもの。 どんなものでも、常に気持ちやテンションをピークを保つということは難しい。 しかし、この30年の活動期間はほぼフルで活動していた(いる)から本当の意味で、“鉄人衣笠”のようにフルイニング出場という栄誉があり、賞賛できる。 というような否定的なコメントを目一杯書いたところで、発売から約1か月経った今年のニューアルバムはどうなのか?? TUBE史上初の2枚組アルバム。正直、これ自体にものすごい不安を抱かせた。 しかし、お腹いっぱいで全ての曲に十分なインセンティブをもって集中力をもって聞くことはできないのでは? という、発売前の杞憂は吹っ飛んだ。 巷では30周年記念の4枚組ベストがもてはやされているが、そんなものはライブに足蹴く通っていた我々にはなんの珍しさもない。単なる過去の栄光を懐かしむ同窓会的存在にすぎない。大事なことは、これからの夏もどう楽しんでいくかだ。 今回のアルバムは(90年代は毎年うれしい悲鳴を上げていたが)、"海に!山に!BBQに!キャンプに!"と久々に豪語できるアイテムだ。そう自信をもって言える出来栄えではないだろうか。 1枚目は他のアーティストから提供された曲のみで構成され、様々な人が抱くTUBEのイメージやTUBEへの想い・愛情がふんだんに惜しむことなく注ぎこまれている。 TUBEのメンバー自らの視点では決して成しえなかった、別の角度からのアプローチによる曲(最たる例が「夏番長」)もあり、表現が豊かだ。ゆえにマンネリに陥ることなく新鮮な気持ちで向き合うことができる。 デビュー当時のロックナンバー、往年の”渚のオールスターズ”的なナンバーもあり、夏の魅力を10倍,20倍にも増幅させてくれる。30周年ならではの大変面白い企画だった。 2枚目はいつものオリジナルアルバム調を踏襲したもの。 最初にこの2枚を聞き比べたときには1枚目の方が好印象を持っていたが、聞く回数を重ねるにつれ、こちらの方に聴欲(?)に駆られた。 これはいつものTUBE。(「いつもの〜」はここ最近は悪い意味で使われたが、今回の「いつもの〜」は良い意味で。) メリハリあり、パンチが効いたナンバーとセンチメンタル感も反映された抜群のバランス感覚をもって料理されたものである。 1曲目は「Boys On the Beach」を想わせるライトタッチなナンバーで夏へのいざない、イントロダクション 2曲目はラテンとも言い難いなにか70年代歌謡風だが、若かりし頃湘南を徘徊していた中高年の記憶がめぐり来るよう。 3、4曲目とシングルだがそれほど派手ではない。だけどTUBEらしい、90年代ほどのパワーはないが。 しかし”TUBEはアルバムに魅力がある”と他人に説得する力のあるナンバーが続いているではないか。最近おとなしめの曲が多かった中で、今回はアップテンポものが後半に固められており、全盛期を彷彿させる。お得意の”無限への挑戦”というテーマを掲げた曲もあり、思わず車のアクセルをフルに踏み込まずにいられない。春畑ギターのテクはさらに進化し幾重にもダビングされており、ヘッドフォンの左右からシャカシャカと渋いギターの音が。一体何人の春さんがライブに必要なの?と余計な心配をしてしまうぐらいギターアレンジも進化され凝っている。もちろん安定感抜群のボーカルは健在であることは言うまでもない。 TUBEの音楽に対する感性が鈍くなる、聴欲がしぼんでくる。これはまぎれもなく老いの始まりである。 ●エージング度チェック 1曲1曲をかみしめる:まだまだ20代 アルバムは買うが、するめをかむようには何度も聞かない:30代 手元にCDを置いておきたいという物欲がなくなりレンタルで済ます:40代 アルバム発売はチェックするが内容には興味ない:60代 アルバムが発売されるという情報さえもゲットしようとしない、気にも留めない:りっぱな高齢者!80代 夏は残りわずか、さあ今からでも遅くない、アマゾンなどでアルバムをGETしよう! ![]() |
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