2014年の年の瀬、大阪城ホールで行われたのは竹内まりやのライブ。
12月12,13日の2夜連続のうち2日目に参加する機会を得た。
彼女は2000年に20年ぶりのライブを武道館にて行い、その後2010年に東京と大阪で限定ライブ、そして今回は33年ぶりの全国ツアー。
“シンガーソングライター主婦”であった彼女の活動の重心が(長い年月を経てではあるが)少しずつライブに傾注されてきているのは、ファンとしてはこの上なく嬉しいことである。

セットリストは、彼女の代表曲がほぼ網羅され、美味しいところが集約されたベストアルバムのような内容。
達郎氏のラジオ番組で何度も聞いたあの“気さくでキュートな声”、テレビに出ていた20代の彼女の記憶はほとんど自分の中にはないが、快活で人なつっこくて世話好きなイメージそのままの彼女がステージに立っており感激。
席はスタンドだったので、ステージからは150mぐらいだったか。表情は肉眼ではっきり見ることができないので、ほぼ双眼鏡にて彼女の豊かな表情をうかがった。

バンドのメンバーは、達郎のライブを奏でるあの豪華なメンバーをそっくりそのままステージに再現。
そして何よりも、“まりや+達郎”という1枚のチケットで非常にお得な、超コストパフォーマンスの高いチケットだということを改めて実感するのだ。

竹内まりや:ボーカル、ギター、ブルーハープ

山下達郎:ギター、コーラス、パーカッション、キーボード
小笠原拓海:ドラムス
伊藤広規:ベース
佐橋佳幸:ギター
難波弘之:ピアノ・キーボード
柴田俊文:キーボード
宮里陽太:サックス
国分友里恵:コーラス
佐々木久美:コーラス
三谷泰弘:コーラス





彼女は大変スリムなので身長以上にすらっとした姿はステージに映え、還暦間近の女性にはとても見えない。
“美魔女”という言葉はこの人のために存在するとはっきり言える。

1曲目は、ライブの挨拶かわりの定番、ロック系ナンバー「アンフィシアターの夜」。
2曲目は、「家に帰ろう」(ギターを抱えての歌唱)
3曲目は、「マージービートで唄わせて」(再び、ギターを抱えて)

80年代子育てに追われていたとき、子どもを寝かしつけた後に書いたと言われる曲の多くはアイドルに提供された曲の数々。
こっそりとデモテープをピアノで彼女が作り夫が精査し、これはいける!と太鼓判を押したほどの作品が並べられていたらしい。
これらが世に出ることにより(もちろん夫の秀逸なアレンジ・企画力があっての話だが)結婚後の再活動のアルバムは一切他者からの提供なしに、作詞作曲はフルオリジナルで彼女自身のものとしてリリースされた、「バラエティ」と「リクエスト」。
今どきの10代からも支持があるという「元気を出して」、中森明菜に提供しそのカバーで彼女の代表曲となった「駅」、そして「Oh No, Oh Yes」も初めてステージにかけられた。
火サスのエンディングテーマで、歌謡テイストの2曲も披露。
J.Boy、Sweetest Music
このあたりの曲は、20代の頃の曲でテンポも速くかなりきついはずなのだが、難なく歌いこなすところはさすが。

「人生の扉」は、彼女が50になったとき、あと何回日本の季節の風物詩とも言える桜やもみじを見ることができるんだろう、と人生に対して再度向き合ったことで書かれたものという。
そして、自分が生かしてもらっていることに対する感謝を歌った「いのちの歌」。ライブでは、非常に貴重なピアノ弾き語りによる歌唱。聴衆は息をするのも忘れて聞いていた。

これまでの私の人生の節目節目で彼女の曲に出会い、こうして愛聴開始から約27年の歳月を2時間半で振り返ったような時間だった。
10代から20代の自分と思い出の写真が詰まったアルバムを、1ページ1ページめくるような時間である。
彼女は、これまで生きてきた中で自分は様々な人に出会えて、それが幸運なめぐりあわせだった故に今の自分がいる、と。
奢るような姿勢もいっさいなく、本当にひたむきで腰が低く一生懸命に生きてきたからこそ、今の彼女があるのだと思う。
これまでの楽曲で、本当に様々な女性像を描いていらっしゃる。
自分がなれない女性像、想像の世界だけで存在する女性もあるが、彼女が歌うことによって本当にそんな女性が存在しているような生き生きとした女性像が作られるのも、彼女の力強くて表現力豊かな声ゆえに、と確信する。
声に年輪が刻み込まれ、しかしそれは20代の頃・30代の頃のみずみずしく潤いある声からまったく衰えがみられず、さらに大人の女性としての色気と落ち着きが加わり、少し低くて太目の声の魅力はさらにいっそう磨きがかけられている。
次に生で彼女の声を聞けるのはいつか? 別れが惜しまれるがそれはコンサートに参加した者なら必ずやってくる時間。
これまでありがとう、そしてこれからもよろしくお願いします、と。





〜セットリスト〜

まりやさん登場衣装(最新アルバム“Trad”のジャケットに写っている彼女が着ている紺の“スリーピース・スーツ”に酷似。)
01.アンフィシアターの夜
02.家に帰ろう
03.マージービートで唄わせて
04.Forever Friends
05.戻っておいで私の時間
06.ドリームオブユー
07.五線紙
08.たそがれダイアリー

まりやさん お着替え1(紺のロングスカートに赤いセーター)

09.OH NO,OH YES
10.元気を出して
11.ウイスキーが、お好きでしょ
12.告白
13.シングルアゲイン
14.象牙海岸
15.駅
16.幸せのものさし
17.プラスティックラブ

まりやさん お着替え2(シルク系のワンピースドレス)

18.Sweetest Music
19.静かな伝説
20.人生の扉

まりやさん お着替え3(ブルージーンズに胸にMの文字のトレーナー+ロングブーツ。細っ!)

(アンコール1)
21.すてきなホリデイ
22.不思議なピーチパイ
23.September
24.J-BOY

(アンコール2)
25.リンダ
26.Let It Be Me
27.いのちの歌

以上




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