♪梅雨明けした朝一のニュース聞いて・・・

3連休のうちに、すっかり夏本番に突入。
今年のTUBEのニューアルバムのタイトルは「Summer Addiction」。
もしも邦題のサブタイトルをつけるなら、「Summer Addiction〜夏に首っ丈〜」というところか?!
ジャケットは、水平線上に雲が漂い澄み切った空と海が一体化した、いわゆる我々が思い描くTUBEのイメージそのものである。しかしながら、収録曲はそのようなイメージのものは少なかったような印象。しかし、全体的になかなかいい感じだ。とっても優しいメロディーの曲が多い。

5月に盛夏シングル(これも今となっては死語か?)がリリースされたが、この盛夏シングルの意義も希薄になってしまっている。シングルはアルバムの売り上げを稼ぐためのプロモーションのようなものだが、今のTUBEのシングルにこれを期待するのは酷なようだ。ヒットチャートは、もう嵐かAKBに任せればいい。アルバムでじっくり聴かせてくれれば、ファンとしては何も文句はない。

昔のようなスピードとシャープ・切れは、影をひそめてしまった感は否めないが、今回のアルバムは(前述したように)全体的に暖かいメロディーで散りばめられている。夏なのに暖かい? 変な印象を持たれるかもしれないが、今のところ、他にぴったり当てはまる言葉が見つからない。

2曲目の「僕が悪かった」。
これが個人的にはアルバムの中での一番のお気に入りの曲である。このような味のある曲は、これまでお目にかかれなかった。“祭りのあと”みたいな男のめめしさ。詞は、かの稲垣潤一氏にたくさんの“めめしい男”を歌わせた(笑)あの秋元康氏。しかしながら、詞がいかにも昭和、という感じ。♪ラジオから流れるあの日のラブソング、なんてフレーズが特に。

3曲目の「いつも、いつまでも」。
本ナンバーは、シングルではなかったらもっと高い評価を得ることができたであろう、ちょっと残念な役回り。(ヒロインではなくヒロインの妹役ならもっと評価されただろう、という女優のような存在か?)

なぜか懐かしい香りがするなあ、と思いきや思い出した。アルバム「浪漫の夏」の“My Little Superstar”(こちらはちょっとブールス調だったけど)を3連ロッカバラード風にアレンジした曲。昭和の若大将 加山雄三の世界。

これらの2、3曲目は夕陽を背景にした曲であるが、文字通り、「Always 〜三丁目の夕日〜」を彷彿させるような昭和の懐かしい光景がベースではなかろうか。

「Love Addiction」
今年の野外ライブのオープニングは意外にもこの曲。しかし、よくもまあこの渋い曲で始めたものである。アルバム「終わらない夏に」がリリースされた94年の野外ライブは、アルバムラストから2曲目の「Horizon」で始まったが、このような渋い構成のライブの年はライブの内容もなかなか良いものである。本ナンバーはTUBE風ファンクといったところで、ちょとした新しい試み。いつも派手なギターに耳の集中力を奪われている身としては、ズンズン響くベース音が耳に心地よい。ベースが非常にフューチャーされたかっこいいナンバー。
というより最近は、“My Hero”以外にロックな曲がほとんどない。そろそろ「Change」みたいな派手なギターのロックの曲を復活させてもらえませんか。

「Just In Time Summer」
いかにも夏への切り込み隊長。
複雑なギターのダビングで、春さんのレコーディング時の苦労がうかがえる。まぶしい太陽の光が一層きらびやかに見える、梅雨明けの季節。TUBEファンなら誰しも待ち焦がれる真夏の到来。この瞬間こそ、夏への情熱の感情がピークに達する。あの夏に飛び込もう、輝きをもう一度。だからいくつになっても、夏が待ち遠しい。このような感情を絵に書いたようなアルバムトップのナンバー。

夜を連想させる歌謡とラテンの2曲があったが、これまでにもこのような曲は多数あるため、本アルバムの中ではスキップしてほとんど聞いていない。

「カラフル」
おなじみレゲエのナンバーだが、“命の大切さ”を歌った曲。TUBEを聞かなければ、自分はレゲエを聞く機会はなかっただろう。レゲエのネタは出尽くしたと思っていたが、TUBEレゲエの王道的パターンであるゆえか、逆に新鮮な感覚で聞ける心地よいナンバー。本アルバム中でTUBEの音楽が提供してくれる暖かさを最も感じ取ることができた。

「泣いちゃえば」
06年のBBQの「みんなガンバレ」路線。
競争社会の世の中にあって自分の負けを認めることは悔しいかぎりである。が、プライドを捨てて自分の負けを認めてから再スタートすることで自分が成長できる、というメッセージ。
“大切なのはかっこいい生き方”、とPositiveな表現で曲をしめるあたりはさすが。

「響け、夏詩」
“いつでもここでぼくたちは夏を歌っている 響け、夏詩”
心に響いてますよー、今年のアルバム。
数々の夏を振り返り、TUBEが歌う“永遠に終わらない夏”。

「曖昧な籠」
サビで雰囲気が一転する。嵐が歌っても良さそうな、若くて青い風景が音から想像される。

「青の道標」
未来を見つめる一方で、昔を振り返る曲。まさに40'sのための曲。
スティールギターの響きが地平線へと果てしなく続くような未来への道を連想させ、40歳を過ぎてもまだまだ自分も捨てたもんではない、という自信を再認識させて力を湧きあがらせてくれる。“あの日の輝きを”。いつもながら、TUBEの曲を聞いている4分少々は、二十歳の心でいられる非常に大切な時間。

「スターの光と影」
ヒデキは脳梗塞からリハビリを繰り返し、24時間テレビで“ヤングマン”を披露し復活。年をとったものの57歳にしては十分カッコいい。
Hiromi Goは相変わらずメディアへの露出は多数で、還暦間近とは思えないほど男の色気で満ちている。
方や、30年前テレビで見ないことはなかったジュリーは、今現在帽子を斜めにかぶって「勝手にしやがれ」を熱唱しても、体重が増えすぎで昔のシャープさは見る影もない。
前田氏も残念ながら、ジュリーの二の舞を踏む危険信号である。熟練した太くて厚みと深さと温かさが融合した声は新たな魅力ではあるが、"NATSU"や"ウワサのCrazy Boy"のような鋭いボーカルに酔いしれた経験をもつファンとしては、ちょっとさびしい。もう一度、何もかも忘れてあの声に酔いしれたい。


まとめ

初めて聞いたときさほど心に響かなかった曲も、8月に入り、蝉しぐれや例外なく容赦ない紫外線の環境下では、その曲の良さが徐々にわが心の核心を突いてくるのは、生まれながらにして持つ曲の夏との相性の良さ故か。概して1曲1曲の個性がはっきりしており、耳に残る旋律。
さらに、重厚で安定したボーカルがオケに肉付けされ、両者が相まって曲が潜在的に持つその優しく温かみのある雰囲気を増幅している。(これは、2007年の「Winter Letter」で実証済。)

最近の作品は、イントロはおろかサビさえも思い出すことができないほど印象の薄いものが多かった。これは90年代の愛聴盤での経験から考えると、異常事態であった。しかし、今年のアルバムはあの頃のようにきちんとこの体に浸透していくのが実感できる。歌詞とメロディがリズミカルにマッチし、それが記憶の中に美しい形でとどまりその年の夏が終わる。あの頃の一連のサイクルを踏襲するかのようである。

そして、相変わらずの後ろを振り返らない未来を見つめる前向きなPositiveな歌詞が、やっぱりTUBE!という感じだ。

TUBEを聞く何万人もの“Summer Addiction 症候群”の一人として、来年の夏もこんな素晴らしいアルバムにめぐり会えることを期待する。





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