2001年11月24日土曜日、晴れ。 今日は我等がHalf Timeテニスサークルの「ウッチー」、そしてHalf Time OB 会TUBE チームの「浪花の夏男」こと、内田昌輝氏の結婚式の日である。 EZは事前に披露宴でのスピーチを頼まれていたので、いささかそわそわした朝を迎えた。 姫路からJRの新快速で90分ほどで京都に着く。

 都ホテルまでは地下鉄で15分ぐらい。1月にトヨタに勤めるH氏の披露宴が行われたので、難なく到着することができた。この結婚式の帰り際、夏男が密かに式場のパンフレットをゲットしていたのをEZは知っている…。

 本日このおめでたい式に招待を受けたのは、Half Time 専属カメラマンN@O氏、92年〜93年夏まで長期に亘って会長を務めたY田氏、Y田氏と同期で本人曰く嫌われ役副会長M田氏、かつての練習部長で今は博士課程の学生であるドクターN田氏、夏男と高校からの付き合いでありHalf Time OB会東北支部長のN川氏、奈良が恋しく関東に行ってもコテコテの関西弁が直らない起業家戦士M村氏、毎晩2世づくりに忙しいトヨタ自動車H氏、そして山形へ長期島流しになったEZの計8人である。

 12時半から7階チャペルで式が行われた。 EZは花嫁とは6月にあるライブで初めて会ったが、うわさに聞いているようなお嬢さんという印象はなく、気さくなしっかりした感じの女性だった。この女性ならきっとOB会に来てくれて、みんなとすぐに打ち解けてくれる、と直感的に思ったという。 しかし、やはり花嫁は美しかった。お父さんと歩くバージンロードでの美しさはひときわであった。

 式は予定通り無事に終わり、いよいよ披露宴である。 我々サークルの仲間としては、M菱電機N@O氏のギターに合わせてTUBEの「Summer Dream 」を余興で披露することになっていたが、ぶっつけ本番ではあまりに心もとない。式場で一度音合わせを行うこととなった。 S友海上N川氏は、出だしがわからんとかぶつぶつ言っていたが、確かにカラオケと違って生演奏に合わせるのは難しい。ギターに対して、どんどんテンポが早くなるヴォーカルの二人(EZとN川氏)に対して、ギターのN@O氏よりイエローカードが出された。EZ、N川氏、「本番では、気をつけます」と。

 さてさて、披露宴での新郎・新婦の登場曲について注目されたが、1曲目はやはりTUBEであった。曲は、95年リリースのアルバム「ゆずれない夏」より、「今日からずっと」であった。スローなピアノのイントロから、新郎・新婦の登場である。次に仲人の挨拶。ご両人の紹介から始まり、結婚というものに対する心構えついて話をされていた。ついつい忘れがちな、夫婦間のお互いへの気配りについて、身につまされる思いを感じた。

 その後、数人の主賓の挨拶後、やっと乾杯とケーキ入刀である。 新婦の恩師である、甲南大学名誉教授の話は長かった。新婦は、夏目漱石を題材に卒業論文を書かれたそうである。小説「坊ちゃん」にでてくる、青年教師の家に昔から仕えていた清というお手伝いさんのことを、日本の理想とする母親像であるという。つまり、坊ちゃんが何をしようとも許す寛大な心を持った女性こそ、本来の日本女性像である、とのありがたいお話であった。

 次に司会が「実は素敵なお客様が来られています」と突然切り出した。その人は、この披露宴に招待されたが、仕事のスケジュールが忙しく出席できなかった。しかし、どうしても新婦の晴れ姿が見たくてお見えになりました、と。一体、こんな演出をするのは誰だ? とみんなが思ったとき、入り口から現れたのは、なんと女優・星由里子氏であった。火曜サスペンスやNHKの連ドラで見たことがある女優であるが、近くで見てもテレビのまま、きれいで上品な婦人であった。新婦のことを「あーちゃん」と呼ぶぐらいの仲らしい。「あ―ちゃん」のことよろしくお願いします、と言われた夏男の目は点になっていた。夏男もすごいところのお嬢さんと結婚したものだと、披露宴に来ているサークルのメンツ誰もが思ったであろう。 新婦側がその気なら、新郎側だって負けてはいられない、こっちはTUBEの前田亘輝氏が出てくるのかと思ったが、残念ながらそれはなかった。昔なつかしい「ハンマープライス」という番組で、前田に披露宴で「君となら」を歌ってもらう券、というのがあったら、まちがいなく、夏男、大金をはたいていたことだろう。 しばしの歓談の中、やはりBGMは一つ飛び毎にTUBEが流れる。奥さんと夏男の趣味の音楽が交互に流れる。 披露宴に来ているサークルのメンバーには二人の音楽セレクトの際の小競り合いが、手に取るようにわかるのは、やはり付き合いが長いせいか? そう言えば、我々の付き合いはもう10年になるな。

 やがて、新婦のみ和服へのお色直し。 入場の曲は、またしてもTUBE。92年リリースのアルバム「納涼」のラストナンバー、涙なしでは聞けない名バラード「君となら」であった。

 お色直しの後、まず第一の山場、EZのスピーチの時が来た。EZは原稿をきっちり書いてきており、A4二枚半というヴォリュームであったが、ストーリーについてはばっちりのはずであった。が、なぜかその前に飲んだビールとワインのおかげで喉が異常に乾き、しゃべるのに困難極まりなく、流暢とは言えないスピーチであった(言い訳がましいぞ、EZ)。 ここに、EZからスピーチの原稿を入手したので、以下に報告する。

 

<< 内田くん、亜里紗さん、本日は誠にご結婚おめでとうございます。ご両家のご親族の皆様方、本日は本当におめでとうございます。 新郎、新婦はお席にお座りください。 ただ今、ご紹介にあずかりました私、内田君と同じテニスサークルに所属しておりました、江崎と申します。 奥様とは初めて、とあるコンサートのときにお会いしました。気さくでなかなかしっかりしたお嬢さんであるという印象を受けましたが、本日はそのときとは随分雰囲気も違い、お美しいですね。

 彼との出会いは、さきほどご紹介にもありましたように、テニスのサークルで私が4回生のときに1回生として入ってきました。新郎は、入部当時はどちらかというとあまりテニスに対して熱心ではなかったと思います。 しかし、いつのまにか彼もテニスに目覚めたようで、彼独自のテニスを開発し「内田流テニス」を確立しました。そろそろ本が出版されてもいいのではないか、と思っております。 やはりテニスサークルですから、いくらアフターや飲み会でがんばろうとも、女の子はテニスに取り組んでいる私達の姿を見ているものですから、やはり女性陣にもてる為にはテニスがうまくなるということがいかに肝要か、ということを彼も認識しはじめたのではないでしょうか。 そういった彼の最初の姿を知っているものですから、彼にダブルスの試合で負けると悔しくて仕方がない。「内田には負けたくない」といった感情で試合をするものですから、さらに力が入って自滅するといったケースもありました。私だけではなく、そんな先輩は多くいるのではないかと思います。そうゆう意味では、闘争心を沸かせてくれる貴重な存在であります。 そうこうしているうちに、われわれはいつのまにか恋愛の話で盛り上がるようになり、女の子に対するアプローチについて議論をしあい、step by stepの重要性などについてお互いに体験話について語り合いました。しかしまた同じ失敗を繰り返すという、まったく学習能力の無い二人でしたが、そういう話題で盛り上がったものでした。 そうこうしているうちに時は流れ、大学を卒業し、テニスのサークルをも卒業する時が来てしまいました。 しかし、われわれがこのサークルで培った友情というものは、あまりにも貴重で大切でありました。 学生時代にできた友人は社会に出てからは作ることはできない、と言います。 私達はかけがえのない仲間と出会い、青春の日々をともに過ごしてきました。 そこで、卒業生を集めてOB会という名で年に2回ほどテニスの合宿を企画し、私達は活動を行ってきました。卒業してからまたみんなでぜひ集まりたい、と思える仲間に出会えたことは、人生最上の財産だとつくづく思います。 いまでは、学年に関係なく、またその家族をも巻き込んでの大きな集団となっていますが、 お互い積もる話しもありますが、社会人として成長していくみんなの姿をみて、刺激を受け、明日に向かってがんばる原動力を生み出してくれる、貴重なものとなっています。

 さて、彼は私と同じ工学部のある学科の学生でしたが、彼はその専攻学科については非常に不満であり、それにより将来の仕事の業種が決まるということに対して、納得がいかないとの強い気持ちがありました。彼は、本当は建築を勉強したいので大学院は建築学科を受験する、と言い出しました。 特に家の設計をしたいとよく言っていました。家というものは、そこに住む人間の歴史を刻む場所です。新婚の二人が住み始め、二人の間に新しい生命が誕生し、その子供達が旅立って行く。そこで築かれる家族愛や絆などを想像しながら、家の間取りを考える。 確かに家というのは、家族の思い出が刻みつけられる場所です。こんな夢のある仕事はないと。 非常に将来に対して、しっかりした志、目標をもっていることに深い感銘を私は受けました。見事一年間のつらい辛抱の時を乗り切り、大学院に合格され、希望の建築会社に入社され、実力をいかんなく発揮されていることと思います。

 さて、彼と私を結び付けるものでもうひとつ重要なものがあります。 日本には、4つの季節がありますが、私はとりわけ夏が大好きです。その夏という季節を題材にし、夏のみ活動する音楽バンドに「TUBE」というバンドがあります。 先ほど、奥様とはあるコンサートで初めてお会いしたといいましたが、それは「TUBE」というバンドのライブでした。 いつも私達は夏休みにキャンプに行ってテニス、海水浴をし、テントを張って、夏の夜空を眺めながら、将来のこと、恋愛のこと、仕事のこと、自分の夢などについて語り合いました。そして、夏の思い出を胸に8月末TUBEの甲子園球場での野外ライブに行き、最後の夏の思い出を享受し、来年の夏もまた、最高の笑顔で会おうといった約束をするのです。 このバンドに関しまして、私は夏という季節が一番好きということもありまして、のめり込んでしまったのですが、彼ののめり込みかたも破壊的なものでした。 しかし、このバンドは夏だけではなく、愛・友情・涙・勇気などをテーマにした曲も数多くあり、私達は涙したのでありました。 彼らの音楽を聞きますと、サークルの現役時代を含め、OB会の合宿など、青春の日々がまぶたに自然と浮かび上がって参ります。 TUBEに限らず、音楽というものは、それを聞くと、聞いていた当時の自分や付き合いのあった人達との思い出が一瞬にしてフラッシュバックし、その当時の自分に戻れるという不思議な力があります。何と素晴らしいものではないでしょうか? まさに、メロディとメモリーが一体化するといった瞬間です。 学生時代のような友人は二度と作れないとよく言いますが、私達の場合、たまたまTUBEとテニスという共感できるものを媒体として、強固な友情を育んできました。 それを、さらにこれからのOB会という家族ぐるみの付き合いので中で育んでいきたいと思いますので、これからもご夫婦ともどもよろしくお願いします。 また、ご夫婦でOB会に参加され、いつまでも仲良くお付き合いをさせていただきたいと思います。 重ねて申しますが、本日は誠におめでとうございます。 簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます >>

 

 スピーチの出来栄えとしては、EZ本人曰く、60%であると。次回、2002年2月2日に行われるY田氏の結婚式でのスピーチが雪辱戦であると、心に誓ったのであった。

 次に新郎、新婦ともどものお色直しで、キャンドルサービス。登場曲は、残念ながら、TUBEではなかった。 各テーブルのキャンドルに火が灯され、披露宴最高の盛り上がりを見せた。サークルのメンバーのテーブルに来たときは、お決まりの新郎によるワインのイッキ。夏男、無理矢理喉につめこんだが、上機嫌であった。

 さてさて、2番目の山場は披露宴前に音合わせをちょこっとやった、ハーフタイムメンバーによるギターをバックにした歌の余興である。初めに、我がサークルが誇る漫才コンビ・M村氏とH氏による、夏男のエピソードを盛り込んだお笑いトーク。夏男の純情さ、強気さを存分に表わしたネタであり、横にいたメンバーにも受けていた。 M村氏、この季節にぴったりの曲、TUBEの「Summer Dream」をお届けします、との前振りにより演奏スタート。 N@O氏持参のエレキギターにより、演奏の始まり、始まり。コーラスが入る暇もなく、N川氏のヴォーカルが走る! 走る! それに合わせて、N@O氏のギターが必死について行く。ヴォーカルのテンポに合わせて弾くギターの演奏なんて聞いたことあるかいな! N川氏がみなを引っ張る歌のプレゼントとなった。

 引き続いて新婦側の友人からのピアノや歌の余興の後、おおとりとして、夏男の大学時代のクラスメートによる余興を迎えるときが来た。そうそう、去年の6月1日、TUBE のデビュー15周年記念ライブのためにわざわざハワイまで行った、TUBE狂の3人である。その一人であるO谷氏は、夏男も頭が下がるほどの歌唱力を持ち、さらに前田亘輝そっくりの振り付けまでできるというからすごい。 クラスメートの一人は、夏男は、戦前の生まれかと思うほど結婚するまでは彼女とは一線を超えない、と豪語していたことを公表していたが、それが本当なら、最近の若いもんは夏男の爪のあかでもせんじて飲まないかんやろな。

 ということで、曲目は、前田ソロのクリスマスソング「Christmas For You」である。 92年の冬に発表された本作は、前田ソロならではの心暖まるバラード。O谷氏は歌詞カードも見ずに熱唱してくれた。前田亘輝の派手な振り付けはなかったものの、聞いている者を引き込む力はさすがだ。 惜しみない拍手の後、新婦による両親への手紙、花束贈呈、新郎の父からのあいさつ、最後に新郎自らによる挨拶で、披露宴は幕を閉じた。

 退場の曲は、94年リリース「終わらない夏に」から「Horizon」。 期待感胸いっぱいの未来に向けての元気なナンバーで、終幕を迎えたのであった。

というわけで、新郎の人柄が至たるところでうかがえる、素敵な結婚披露宴であった。 お二人さん、末永くお幸せにね!!

 

<EZ>